令和7年度(公社)生体制御学会第4回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました
令和7年11月2日(日)に令和7年度(公社)生体制御学会第4回Web講習会講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました。
8:30~10:00
臨床鍼灸医学研究
良い鍼を考えよう
東洋医学研究所®グループ 中村はりきゅう院
中村 覚 先生
本日は、「良い鍼を考えよう」というタイトルで、「鍼の良さ」について述べたいと思います。
黒野保三先生は「鍼灸診療の現場において、種々ドラマチックな鍼灸治療の効果と考えられる現象にしばしば遭遇するが、その現象が偶然かあるいは確たる事実かを実証医学的に明らかにすべきである。」と言われていました。私は「鍼の良さ」とは、自然治癒力の向上、疲労回復、リラックス効果(副交感神経を高める)、疾病の治療・疾病の予防にあると考えています。
現在、診療ガイドラインの中に片頭痛の予防、癌患者の治療中の嘔気、過活動膀胱、慢性痛など鍼灸が推奨されています。今回、各種ガイドラインの紹介と、黒野保三先生の過去の研究論文について講義いたしました。

10:10~11:00
自律神経学〜生活習慣病との機序〜
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
愛知医科大学客員教授(神経内科)
岩瀬 敏 先生
本日は、高血圧について御講義頂きました。
「血圧を下げるには運動・食事が大切になります。無理なく減塩するポイントは
- むやみに調味料を使わない
- 外食や加工食品を控える
- 低塩の調味料を使う
- 具沢山の味噌汁にする
- 麺類の汁は残す
などがあります。
運動療法は軽度の有酸素運動が大切です。適度な運動は、心臓や肺の働きを向上させ、血液の循環を促進し、継続して行うことで次第に体の各部の機能が鍛えられてきます。血圧だけでなく、肥満、脂質異常症、糖尿病など生活習慣病全般に対しても良い影響を及ぼします。特にフォーキングをしっかりすることをお勧めします。」と御講義頂きました。

11:10~12:10
「感情」とはなんだろう〜脳と感情を考える〜
第3回 感情の変容と疾患
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
名古屋大学名誉教授 藤田医科大学客員教授
澤田 誠 先生
本日は、情動が変容する疾患について御講義頂きました。
「感情は快・不快で喜怒哀楽・愛憎などの多彩な心理反応になります。うつ病の診断として、NIRS(近赤外光トポグラフィ)という検査装置(安全性の高い近赤外光を用いて頭部の血流量の変化を測定することで、脳の活動状態をグラフ化する検査装置)が作られ、血液成分のヘモグロビンによって、近赤外光が吸収されますが、そこに酸素がついていると、その吸収の度合いが変化します。NIRSは近赤外線により、その度合いを測定し、酸素化ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビンの変化量を測定する方法です。
これにより、間違えられやすいうつ病と双極性障害の診断が正確にできるようになります。また、認知症とうつ病の違いがわかるようになり、より正確な治療ができるようになってきています。」と御講義頂きました。


