小児鍼
大人への鍼と違い、さすことはしません。
鍼で皮膚をさすっていきます。
大人と同じように効果があり、夜泣き、疳の虫、夜尿症等に効果があります。
健康管理のために、生まれてまだ間もないころから当院につれていらっしゃる方もおられます。
つぎに、かゆみが激しいことも特徴で、このため、落ち着いて勉強ができないという子どももいるくらいです。
かくとそこが象の皮膚のようになって(苔癬化)、さらにかゆくなるといった悪循環が生じます。
また、アトピー性皮膚炎の肌は抵抗力が弱いため、細菌感染やウイルス感染を起こしやすいと考えられています。
赤ちゃん
赤ちゃんは、自分の意思を言葉で伝える事ができないので、おなかがすいた時やおしめを取り替えて欲しい時、眠い時、痛い時などは、それを知らせるために泣きます。
しかし、思ったことが伝わらない、言葉を十分に伝えられないことが、やがて奇声(キーキー)、不機嫌、不眠、夜泣き、むずかり、噛み付くなどの症状として現れることがあります。
それは離乳期前後に多い小児神経症で、一般的に「疳の虫(疳虫症)」と呼ばれ、原因は神経性素因、肉体・精神の発達のアンバランスなどによるものとされています。
小児科
小児期は、疳虫症状の他にも、風邪症状、夜尿症(おねしょ)、下痢・便秘、熱が出る、食欲がないなどの症状が多く、その他に、環境や食生活の変化、遺伝的素因などから、アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、小児喘息、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、花粉症など)は増加しています。
小児に対する鍼治療の調査結果
対象は、昭和56年5月~平成15年10月の間に東洋医学研究所®と東洋医学研究所®グループに来院し小児鍼を受けた8歳以下の患者のうち、調査が可能だった85例としました。結果は以下のようになりました。
東洋医学研究所®におけるこの調査結果から、小児鍼はアレルギー疾患などの愁訴に有効な治療法であり、主訴のほかにも「風邪をひきにくくなった・丈夫になった・元気になった・食欲が出た・よく眠れるようになった」など、身体に良い変化がみられることが明らかになりました。
また、鍼治療を開始する年齢が3歳以下であることと、1年以上治療を継続することが有効性を高めることが認められました。
特に小児期は、症状に対して薬を使用するのは戸惑いがあると思います。
小児鍼は薬と違い副作用がなく、その後の成長にも良い影響を与え、体質改善にもつながる小児鍼をお勧めいたします。
アレルギー疾患以外の主訴改善人数
初診時年齢別の有効性
不妊症
子宮内膜形状不良に鍼灸治療が有効
鍼灸治療が全ての不妊疾患に効果があるのかと聞かれた場合、「あります!」と言いたいのですが、原因が卵管閉塞、卵巣機能不全など、器質的に原因のあるもので、いわゆる器質性不妊そのものは非常に困難です。
機能性不妊の原因
生活環境やストレスによる情動障害
気持ちが満たされない不満など⇒身体の気血の循りを悪くすることが骨盤循環のうっ滞や生殖機能の低下
生活環境の乱れにより不妊悪循環
病院への通院、治療が繰り返される⇒精神的ストレスを取り除けなくなってしまう、いわゆる生活習慣病です。
その結果全身の血液循環の悪化、自律神経の乱れによるホルモンのアンバランスなどが起こり、機能性不妊になると考えられています。
鍼灸治療が機能性不妊に対して効果が期待できるのは鍼灸治療により生活習慣病の改善ができると云う背景があるからです。
鍼灸治療により、血流の改善、自律神経の安定を図ることで生活習慣病でもある機能性不妊にアプローチしてゆきます。
また、患者さん自身も今一度自分の生活を省みて、本来の規則正しい生活を送ることで体質を変える事ができれば…と願います。
また男性不妊が全不妊症の30~40%を占めているのも事実です。ご夫婦が共に治療に取り組むことが必要です。
不妊治療研究実績
治療例)
結婚5年、不妊専門医療機関で2年治療しても妊娠に至らない不妊症
かつ、病院での治療を続けても妊娠への条件の一つである子宮内膜形状不良の方
妊娠に至ることができなかった57名を対象に病院の治療に鍼灸治療を併用したところ、31名(54.4%)が子宮内膜形状が改善し、その内14名(45.1%)が妊娠に至ることができました。(図)
以上のことから、不妊原因の一つである子宮内膜形状不良には鍼灸治療は効果があることが明らかになりました。しかし、不妊症は様々な要因が重なっている場合が多いため、鍼灸治療と近代医療とを併用することで、妊娠への道を開いて下さい。
逆子治療
鍼灸治療による逆子治療効果が報告されています。
一般には、母体の外側から手で胎児を回転させて骨盤位を頭位に正す方法もありますが、胎児に危険がおよぶ懸念があるため最近ではあまり行われません。
また、母親が膝肘位(胸膝位)という特別な体位をとって胎児の自発的な回転をうながす方法もありますが、これも必ずしも成功するとするとはかぎりません。
逆子の鍼灸治療
至陰という経穴(ツボ)を使った治療が知られています。
妊娠7ヶ月では、胎児がよく動くため再度逆子になってしまうことがあり、8ヶ月~9ヶ月が治療の時期としては適しています。9ヶ月を過ぎると胎児が大きくなっているので子宮の中で回転するのが困難になり治療が難しいといわれています。
逆子に対する鍼灸治療の効果についての報告
(社)全日本鍼灸学会の学術大会でも行われています。藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院の川瀬らの報告では、至陰の他に三陰交と湧泉という経穴(ツボ)を使った灸による治療効果について矯正率95.9%と報告しています。
東洋医学研究所®でも、逆子に対する鍼灸治療をさせて頂いていますが、時期的な問題など特殊な場合を除いて、ほとんどよい結果が得られています。
さらに鍼灸治療により出産に対する不安をやわらげ、安産に導くことができると考えます。
是非、副作用のない鍼灸治療を受けられることをお勧め致します。