お知らせ 令和6年度(公社)生体制御学会第2回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました

令和6年7月7日(日)に令和6年度(公社)生体制御学会第2回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました。

9:00~10:30
基礎生理学1
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座 
愛知医科大学客員教授(神経内科)
岩瀬 敏 先生

本日は主にCovid-19後遺症について御講義頂きました。

「Covid-19後遺症ではワーキングメモリーロスの症状が多いです。ワーキングメモリーロスとは、2・3分前にやっていたことの記憶を忘れてしまう症状のことです。

また、ブレインフォグという症状も起こります。ブレインフォグは今、何をしているのか忘れてしまうことです。例えば新聞のコラムを書き写す作業をしていてもやっている途中で考えていることが真っ白な状態になり、今何をしているのかわからなくなってしまうので仕事効率が非常に落ちます。

20~50歳代の働き盛りの年代でCovid-19感染後の後遺症で記憶障害、ブレインフォグ、うつ症状が起こると仕事がうまく続けられない可能性が高くなります。このような症状に対してステロイド治療をしています」と御講義頂きました。

10:40~12:10
「思い出せない脳」feat. Kandel 神経科学 season2
第2章 情動が記憶を選別する(思い出せない脳)
・情動とは何か ・ポジティブな情動が記憶の増大につながる
→カンデル神経科学 42 章(情動) 43 章(動機づけ, 報酬, 嗜癖状態)
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座      
名古屋大学名誉教授
澤田 誠 先生

本日は、澤田誠先生が著された「思い出せない脳」の中から記憶について御講義頂きました。

「コンピューターは入力した情報をそのまま蓄積します。しかし、人間の記憶の本質はコンピューターとは違い、ただの情報の蓄積ではなく、自然界で生き残るために生き残れる行動の確率を高めるためにすることにあります。

人間の脳は旧仕様の脳に増築をして作られています。例えるなら、「ガラケー」から「スマホ」になったわけではなく、ガラケーの容量を増やして新たな機能を使えるようになったもので、昔のシステムが現役で使われているのです。

扁桃体は、外界からの刺激が生体にとって意味のあるものか、危険を含むのかを判断する役割があります。ここが破壊されると、怖かったヘビに平気で触ることができたり、自分の生命に危険なものに対して平気な行動をとったりします。」と御講義頂きました。