お知らせ 令和6年度(公社)生体制御学会第3回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました

令和6年10月6日(日)に令和6年度(公社)生体制御学会第3回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました。

9:00~10:30

基礎生理学2

(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座 

愛知医科大学客員教授(神経内科)

岩瀬 敏 先生

本日は脳神経について御講義頂きました。

「内耳は平衡覚を司る前庭系と聴覚を司る蝸牛で構成されます。 前庭系には、回転角加速度の受容器である三半規管と直線加速度の受容器である耳石器があります。

人の前庭感覚は内耳にある5種類の受容器により構成されています。前半規管、後半規管、水平半規管は頭部の角速度を感知、耳石の卵形嚢、球形嚢は頭部の直線加速速度を感知します。

迷走神経は頭頚部から上腹部まで走行しており、下咽頭の感覚、内臓感覚を知覚し、副交感神経線維の4分の3を占め、心拍数を落とす役割ももっています。副神経は胸鎖乳突筋と僧帽筋を支配しています。」と御講義頂きました。

10:40~12:10

「思い出せない脳」feat. Kandel 神経科学 season2

第 3 章 睡眠不足が記憶の整理を妨げる(思い出せない脳)

・睡眠不足が思い出せない脳を作る ・ポジティブな情動が記憶の増大につながる

・睡眠中にシナプスの破壊と開通が起こる

→カンデル神経科学 44 章(睡眠と覚醒) 48 章(シナプスの形成と除去)

(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座       

名古屋大学名誉教授

澤田 誠 先生

本日は、澤田誠先生が著された「思い出せない脳」の中から睡眠不足による記憶について御講義頂きました。

「脳の機能として、脳はありのままを見ていません。脳はただの記憶装置ではなく、生命維持に関わるものを取捨選択します。生命が高確率で生き延びることのできるよう選択する生命の大原則、自分にとって大切な情報は何かを選択する、マインドセットといって、これまでの記憶の集積による脳内の空想世界を作る働きがあります。

記憶の意味は生き残る必要な情報だけを記憶として残すことであり、不必要なものは忘却していきます。

睡眠には、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠があります。

では、なぜ睡眠があるのか。動物としては眠るという危険な無防備状態を作り出してまで長く眠る必要はどこにあるのでしょうか。この眠りの長さは、人間が他の動物と違う大きな特徴の1つになります。

睡眠中に体は休んでいますが、脳は休んでいません。睡眠中は活動時の情報を整理していると言われています。短期的に記憶したものを長期記憶として残しておくか、忘却するのかを寝ている間に情報整理をしています。

レム睡眠中は物語性のある夢をみます。ノンレム睡眠の深い睡眠中はおぼろげなイメージの夢をみています。

夢の役割として、1つめに生きるための情報の取捨選択をしています。2つめに生存のためのリハーサル、3つめにいらない情報を排除して忘れます、このことにより、脳が効率よく動くことができます。」と御講義頂きました。