令和6年度(公社)生体制御学会第6回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました
令和7年3月2日(日)に令和6年度(公社)生体制御学会第6回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました。
9:00~10:30
「めまいについて」(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
愛知医科大学客員教授(神経内科)
岩瀬 敏 先生
本日はめまいについて御講義頂きました。
「めまいは回転性めまいという実際には動いていない状況で、自身または周囲が動いているように感じられる感覚であり、不動性めまいはふわふわと浮いているような感覚や雲の上を歩いているような感覚の2種類があります。
中枢性めまいの症状は、座っていても横になってもよくならない、激しい頭痛、ろれつが回りにくい、けいれん発作がおきることです。中枢性めまいは、ためらわずに救急車を呼んで脳領域の専門医療機関を受診してください。
末梢性めまいの症状は、天井がぐるぐる回るようなめまい、ふわふわした感じ、耳鳴り・難聴、嘔気・嘔吐があります。原因としては、寝不足やストレスなどによる自律神経の乱れ、体内の水分不足、内耳の三半規管や耳石器の障害が考えられます。
人の姿勢制御は、視覚情報、体性感覚情報、前庭感覚情報が担っています。この3つの感覚情報のうち、前庭感覚情報が敏感すぎるとめまいを起こすことがあります。
鍼灸の対象としては、末梢性めまい、特に良性発作性頭位めまい(PPPD)、頸性めまいがあります。また、後頭部周囲に治療に有効な経穴があります。」と御講義頂きました。

10:40~12:10
第6章 記憶という能力の本当の意味(思い出せない脳)
序章 記憶力が未来を決める
・記憶を思い出すときの脳の動き まとめ ・自由意思に関する脳研究
→カンデル神経科学 52 章(学習と記憶)
53 章(潜在記憶を貯蔵する細胞機構と個性の生物学的基盤)
56 章 (意思決定と意識) (公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
名古屋大学名誉教授
澤田 誠 先生
本日は、澤田誠先生が著された「思い出せない脳」の中から、記憶について御講義頂きました。
「脳はありのままを見ておらず、すべて記憶する記憶装置のためではなく、生命維持のために必要な情報を取捨選択して記憶を残すことを第一義としています。
記憶は①符号化、②貯蔵、③固定化、④想起の4つのプロセスで行われています。
①符号化は、新しい記憶形成の際に処理する過程で、この処理により記憶がしっかりと定着するか否かを決める重要な要素になります。
②貯蔵は、新しく得た情報が長い間忘れないでいられる記憶として保持される神経メカニズムや保持の状態を指し、特筆すべき特徴の1つは容量がほぼ無限ということです。
③固定化は、一時的に保存されたまだ不安定な情報をより安定な状態に変化させる過程になります。
以上の3つが覚える方・入力側であり、「記銘」と言います。
④想起とは、保存した情報を思い出す過程になります。様々な場所に保存された多用な種類の情報を引き戻す作用に関連しています。」と御講義頂きました。
