令和7年度(公社)生体制御学会第3回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました

令和7年10月5日(日)に令和7年度(公社)生体制御学会第3回Web講習会講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました。

8:30~10:00

臨床鍼灸医学研究

糖尿病に対する鍼治療の検討

東洋医学研究所®グループ 二葉鍼灸院

山田 篤 先生

本日は、糖尿病と鍼治療について御講義頂きました。

「糖尿病では、インスリン作用が効きづらくなるため、高血糖になります。この高血糖状態を改善する方法を説明したいと思います。」

高血糖の二大原因は、

①インスリンの分泌量が少なくなっていること

②インスリンに対する体の感受性が低下していること

が考えられます。

①の対策としては、薬でインスリンを補うことができ、さらに食事療法により、インスリン分泌量の減少をカバーできます。

②の対策としては、運動療法によって、インスリン感受性を高めることができます。

糖尿病の治療は「高血糖を是正し、血糖コントロールを良好に保つことで合併症を防ぐ」ことが目標になります。

私の治療院において、鍼治療を継続した糖尿病患者では、糖尿病を発症してから25年になりますが、合併症がなく経過しており、糖尿病治療の目標を体現しています。」

と御講義頂きました。

10:10~11:00

天気痛・気象病について

東洋医学研究所®グループ ことぶき鍼灸院

 秋田 壽紀 先生

本日は、気象病について御講義頂きました。

「気象病とは、気圧・気温・湿度などの気象の変化によって、身体に不調が現れたり、既存の症状が悪化する現象をさします。その中でも、気象の変化によって頭痛や関節痛などの慢性痛が悪化する症状を「天気痛」といいます。

 我々は、生体制御学会古典(鍼灸)文献研究班において、気象病について調査をしています。我々の調査では、気象の変化によって体の調子が悪い人は約32%であり、女性の割合が多く、若い年齢層に症状が多いことがわかっています。」

と御講義頂きました。

11:10~12:10

「感情」とはなんだろう〜脳と感情を考える〜

第2回 感情を作る物質と神経回路

(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座       

名古屋大学名誉教授 藤田医科大学客員教授

澤田 誠 先生

本日は、感情を作る物質と神経回路ついて御講義頂きました。

「感情とは、自分自身の生存にとって、好ましいか好ましくないかを判断するためのメカニズムになります。好ましい情動=快の情動であり、嬉しさや楽しさが発生します。これが種の保存にとって都合がよい事であります。

反対に好ましくない情動=不快の情動であり、これが怒りや恐怖、不安、悲しみであり、種の保存にとって非常に都合が悪い事であります。

しかし、恐怖は生命が生存率を高める必要な機能です。生命の危険があるものに恐怖をもたなくなれば、そのまま近づいてしまって、生命の危機になってしまいます。

また、扁桃体は恐怖反応を起こす場所であり、両側の扁桃体に損傷を負った被験者は、ホラー映画を見たり、大きなクモや蛇が目の前にいたり、お化け屋敷に行っても恐怖を示すことがありませんでした。

このように情動とは、生命の大原則として生物が生き残るために必要な感情体験と身体反応であり、個の保存や種の保存にとって一番重要であります。」と御講義頂きました。