令和4年度(公社)生体制御学会第4回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました

令和5年2月5日(日)に令和4年度(公社)生体制御学会第4回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました。
9:00~10:30
基礎生理学4
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座 
愛知医科大学客員教授(神経内科)
岩瀬 敏 先生

本日は主に下肢について御講義頂きました。
「下肢は大腿と下腿にわけられ、大腿は大腿四頭筋、大腿二頭筋、内転筋群、下腿は前脛骨筋、腓腹筋、ヒラメ筋、長腓骨筋などの筋肉があります。
中殿筋は足を外に上げ、大殿筋は足を後ろに上げる、大腿四頭筋は足を伸ばす、ハムストリングスは足を曲げる、前脛骨筋はつま先を挙げる、下腿三頭筋はつま先を下げる作用があります。
大腿神経は、第2・3・4腰神経の腹側から分岐する神経であり、第4腰神経から分岐するものが最も大きく、第2腰神経から分岐するものが非常に小さいという特徴があります。
坐骨神経は多くの動物において同一個体中で最大の直径と長さをもつ末梢神経になります。ヒトの場合、腰仙骨神経叢からはじまり、総腓骨神経と脛骨神経に分かれて終わります。支配筋は半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋、大内転筋からなるハムストリングスになります。」と御講義頂きました。

10:40~12:10
「ストレスのメカニズムと対処法」
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座       
名古屋大学環境医学研究所生体適応・防御研究部門脳機能分野教授
澤田 誠 先生

本日は、ストレスと対処法について御講義頂きました。
「ストレス反応はその人の考え(主観)によって左右されます。例えばこんな実験があります。ジェットコースターが嫌いな人が乗ると心拍数が150以上に上がったりします。乗る前からどんどん心拍数が上がっていき、乗っている時に恐怖で心拍数がさらに上がります。逆にジェットコースターが好きな人が乗ると心拍数が上がるどころか、乗っている時では逆に下がってリラックス状態になります。
ストレスはイコール悪いものと考えられがちですが、良い面もたくさんあります。人間がストレスを感じるようになった歴史は深く、肉食獣などから身を守るためと言われています。恐怖に出会ったとき(トラや狼などにでくわす)、逃げるか、戦うかのどちらかを選択しますが、同時に体は怖い、戦おう、逃げようとすぐに動けるように臨戦態勢をとってくれています。ストレスにより一瞬で行動できるように体が反応し準備するのです。
ストレスは短期的にはこのように良い面がありますが、ストレスを長期に受けているとうつ病をはじめ、様々な病気を引き起こす原因と言われています。
ストレスはどうでもいいことにはストレスを感じない、自分にとって大切なことが脅かされたときに生じるという特徴があります。
不安を感じるとストレスを感じますが、興奮もストレスと似た生体反応になります。
ロープアスレチックが苦手な人に、スーパーマンのように胸をはり「私はワクワクしている」と自分の脳が勘違いしてくれるまで言葉を繰り返します。そうすると、恐怖感が少なくロープアスレチックができるようになります。
このように、ストレスは考え方次第でパワーになるのです。
ストレスをポジティブにとらえる3つのステップとして、
① ストレスを感じたら、まずそれを認識する。またどんな反応がでているのかに注意する。
② ストレス反応がおきたのは、自分にとって大切なものが脅かされているせいだと認識して、そのストレスを受け入れる。その大切なものとはなにかを考える。
③ ストレス反応を抑え込んだり、対処することをせず、利用する。」
と御講義頂きました。