(公社)生体制御学会第264回定例講習会に参加しました

平成25年4月7日(日)
(公社)生体制御学会第264回定例講習会
(愛知県鍼灸生涯研修会)

10:00~10:50  基礎生理学
 「現状と将来」
(公社)生体制御学会名誉会長
黒野 保三  先生

今回は、厳しい鍼灸界の情勢とそれを乗り越えるために何をするべきかをお話しいただきました。
「世界のレベルからみると、残念ながら日本の鍼灸界はレベルが低い状態にあります。このことは、苦言でありますが、今の問題を見ないで放っておいては鍼灸界は発展するどころか、衰退をしていってしまいます。良いことはみんなで応援してさらに良くなるようにして、悪いことはみんなで解決策を考えて乗り越えることが重要になります。
日本の鍼灸界にとって悪いこととは、日本医師会より鍼灸の同意書を書かないようにという動きがあることが1つにあります。この問題の一因として、鍼灸師のレベルの低下が挙げられます。現在、専門学校が多くありすぎて、ほとんどが定員割れをおこしている状態にあります。定員割れをおこすと、誰でも入学できてしまいます。結果、自然と学生の質が下がってしまうことになり、自然と鍼灸師全体のレベルが下がってきてしまいます。問題はこれだけではありませんが、まず、個人的にできる対策として、自己のレベルを高める必要があります。「鍼灸師ではなく、鍼灸医師として医療に携わっている」という高い見識をもち、それに応じる人間性、技術、知識を向上させる努力を不断に行う必要があります。また、現在勉強したことの証明として認定証や講習証が発行されておりますが、実質上全く価値の無いものとなっています。
これらの価値をあげるべく、しっかりと保険機関等に働きかけていくことが必要であり、生体制御学会で出している講習証に関しては我々で働きかけることが可能です。
例えば認定証を発行した者のリストを保険機関等に配布をし、理解していただくよう説明をし、同意書を書いて頂けるような行動をしていくべきです。
そして、鍼灸師の将来に向けての提言として、

①医療家としての鍼灸医師再教育
②鍼灸大学における研究業績の義務化
③鍼灸専門医の法制化
④鍼灸施術専門医の認定
⑤医師による同意書の撤廃
⑥鍼灸養成機関の専門学校の廃止
⑦医療界のオリエンタルメディカル医(東洋医)としての参加

それらを実現するために第三者を参加させた委員会を設立してシミュレーションを行い、その結果を各方面に働きかけて意見を聞いたりアクションを起こす必要があり、私たちは、鍼灸医師としての認識を持ち、社会にアピールしていかなければならない。」と教えていただきました。

11:00~12:00  (公社)生体制御学会生涯教育制度表彰状及び講習証授与式が行われました。 

このマークのついている先生は東洋医学研究所®グループに所属しています。