(公社)生体制御学会第3回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました

令和4年2月6日(日)(公社)生体制御学会第3回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました。

(公社)生体制御学会第3回Web講習会
(愛知県鍼灸生涯研修会)
(Zoomによるオンライン配信)

9:00~10:30
認知症と物忘れ ―仕組みがわかれば対処法がかわる― 
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座       
名古屋大学環境医学研究所生体適応・防御研究部門脳機能分野教授
澤田 誠 先生

今日は記憶について御講義頂きました。
「まず、物忘れと認知症の違いについてです。物忘れと認知症の違いは、認知症では忘れた自覚がないことです。あの人の名前が出てこない、というのは物忘れで、認知症ではありません。
脳は機能的には120歳まで正常に働くことがわかっています。しかし、脳梗塞や何らかの障害をもつことで働きが悪くなります。最新の研究では、良い睡眠をとることが脳に良い刺激が与えられ、認知症を予防できることがわかってきています。
記憶をするコツはいくつかあります。1つ目は、繰り返し学習です。良質な睡眠が重要で、一夜漬けよりも寝る前に暗記して、寝た後に復習することが暗記するコツです。
2つ目はエピソード記憶に変えること。なにかびっくりすることなど感情が動く出来事と結びつけることで記憶は良くなります。
3つ目は「場所」という情報と結びつけて記憶することです。場所は人が狩りで生活をしていた昔、危険な場所、獲物がいた良い場所など記憶においてとても重要な位置づけをもっています。普段生活している場所に、覚えたいものを書いて見るようにするとよいでしょう。
このように、別な何かと関連づけて記憶するようにすれば、物忘れは減ってきます。」と御講義頂きました。

10:40~12:10
基礎生理学3 (公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座 
愛知医科大学客員教授(神経内科)
岩瀬 敏 先生

今日は排尿、排便の生理学について御講義頂きました。
「人間の1日の尿量は1500ml前後と言われます。初期尿意は200ml前後で生じます。我慢の限界まで貯めることのできる量は400~500mlになります。
蓄尿中は膀胱内圧が低く、尿道内圧が高い状態ですが、これが異常になると尿閉という病的な状態になります。逆に排尿では、膀胱内圧が高く、尿道内圧が低い状態ですが、これが異常になると失禁という病的な状態になります。
排便は様々な反射の仕組みと大脳による意識的な要素によって制御されています。排便では交感神経はほぼ働かず、副交感神経のみの働きで行っており、いきんで腹圧を上げることが重要になります。排便をしっかりと行うには、内肛門括約筋と外肛門括約筋を鍛える必要があります。」と御講義頂きました。