令和4年度(公社)生体制御学会第1回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました

令和4年7月3日(日)に令和4年度(公社)生体制御学会第1回Web講習会講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました。

(公社)生体制御学会第4回Web講習会
(愛知県鍼灸生涯研修会)
(Zoomによるオンライン配信)

9:00~10:30
基礎生理学1
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座 
愛知医科大学客員教授(神経内科)
岩瀬 敏 先生

今日は脳神経について御講義頂きました。
「頭蓋骨の人類文化学では、頭蓋骨は死の象徴とされています。
 脳と脊髄から出る神経を末梢神経と言い、末梢神経には脳神経と脊髄神経があります。脳神経は12対、脊髄神経には、頸神経8対、胸神経12対、腰神経5対、仙骨神経5対、尾骨神経1対の計31対あります。
第Ⅰ脳神経は嗅神経で嗅覚を司ります。嗅覚は特に記憶と情動に関連します。人の安全や危険を察知することに重要な機能であり、焼ける匂い、敵の匂い、食物の匂い、腐敗臭などを嗅ぎ分けます。
第Ⅱ脳神経は視神経となり、人が感じる情報の90%を占めると言われています。近くを見るときは寄り眼になる動き(輻輳(ふくそう)、瞳孔が小さくなる、水晶体が厚くなるといった3つの調節が行われます。外眼筋の支配神経は、動眼神経がほとんどであり、その他に上斜筋が滑車神経、外直筋は外転神経の支配域になります。」と御講義頂きました。

10:40~12:10
「情動形成に関わる神経伝達物質と薬物」
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座       
名古屋大学環境医学研究所生体適応・防御研究部門脳機能分野教授
澤田 誠 先生

今日は感情について御講義頂きました。
「生命の大原則とは生物が生き残るために必要な原理になります。ヒトとしての種の保存、個人としての個の保存があります。
感情、情動とは自分自身の生存にとって好ましいか、好ましくないかを判断するためのメカニズムになります。
好ましいという快の情動(嬉しさ、楽しさ、満足)が発生する現象は、種や個の保存にとって都合の良いことであり、好ましくないという不快の情動(怒り、恐怖、悲しみ)は、種や個の保存にとって都合が悪い現象になります。
情動形成に重要な主な神経伝達物質として、アミノ酸性(グルタミン酸、GABAなど)、アミン性(ドーパミン、ノルアドレナリンなど)、ペプチド性(エンケファリン、エンドルフィンなど)、脂質の成分であるアセチルコリンがあり、それぞれ、存在する量の多少、応答性の遅速などの性質の違いをもっており、適切な情動形成ができるように働いています。」と御講義頂きました。