希望 東洋医学研究所®グループ 弥富鍼灸院 院長 服部 輝男 平成25年11月1日号
私は、未熟児或いは出生時何らかのトラブルにより大きなハンデ(handicap)を背負ってしまった新生児あるいは幼児たちに対し、僅かでもこのハンデを取り除き健常児に近づけるための鍼治療を行っております。
特に、脳室周囲白質軟化症(PVL)と診断されたお子様をお持ちのご両親は、医師より乳児期では健常児とほとんど変わりない子供ですが成長するに従い筋肉が硬くなり麻痺の状態が出現してくると説明されています。
さらに西洋医学の文献では、脳室周囲白質軟化症と診断された時点で、すでに症状が発症しているため有効な治療法はないとされています。
こうしたお子様に対し早い時期(病院を退院と同時)から鍼治療を開始することをお勧めいたします。
乳幼児に対する鍼治療は、ほとんどの場合乳幼児の柔らかい優しい皮膚に対し鍼先の丸い刺さない鍼を使用し治療を行います。しかし重い疾患の場合は細い鍼を皮膚にあて僅かに強い刺激で施術する場合もございます。
このように治療法を使い分けることにより、治療を受けられる方々に最も適した治療を行うことになり、障害を受けた脳に最適な刺激を繰り返し与え、僅かでも機能の回復が期待できるものと考えております。
この考えは、私が長年脳室周囲白質軟化症に対する鍼治療を施術した経験によりもので、確たるエビデンス(証拠、根拠、証言などを意味する)を持ち合わせているわけではありません。
しかし鍼治療の最大の利点は皮膚を刺激するのみで効果が得られるためまったく副作用の心配がないということです。小さなお子様には化学療法などの薬物療法では副作用が心配になってきます。
東洋医学研究所®および東洋医学研究所®グループが行った風邪症候群に対する鍼治療の実証医学的な研究結果では、鍼治療継続期間が長くなるほど風邪をひきにくくなることがわかりました(東洋医学研究所HP 胃痛・風邪・内科疾患参照)。
私の経験からの印象としても、鍼治療を続けておられる方々は乳幼児に限らず高齢者の方々に至るまで風邪をあまりひかないというお声をよく耳にいたします。
是非、副作用にない鍼治療を受けられることをお勧めします。