今、改めて東洋医学研究所®の話 東洋医学研究所® 所長 橋本 髙史 令和3年12月1日号
東洋医学研究所Ⓡとは
東洋医学研究所Ⓡは黒野保三先生が、伝統ある鍼灸医学の真髄を基盤とし、鍼灸医学の発展と鍼灸医療を通じて社会に貢献することを目的として、昭和42年9月15日に設立されました。
そして、鍼灸医学の基礎研究・臨床試験によって鍼灸診療を行ない、多くの研究を積み重ねておられます。
そして、黒野保三所長に師事して集まった先生方が鍼灸治療に対する技術・学術の向上を目指し、それぞれが黒野先生の教えを受けて開業され、東洋医学研究所Ⓡグループの一員として、地域医療の貢献のため努力されております。
東洋医学研究所Ⓡの治療理念
疾病に対する予防のアプローチには、以下の三つがあります。
① 一次予防
病気になる前の健康者に対して、生活習慣の改善や健康の増進を図って病気かからないように治療や指導を行うこと
② 二次予防
病気の早期発見や病気になった人にできるだけ早期治療を行い、病気の進行を抑え、病気が重症化しないよう努めること
③ 三次予防
病気が進行した後の後遺症の治療、病気の再発防止、残存機能の回復・維持をはかること、治療過程においての指導やリハビリテーションを行うことにより社会復帰を促すこと
このことは、鍼治療が第一次予防である「健康管理」につながり、病気になりにくい体作りそのものであると考えます。
そして、黒野先生が行われてきた多くの基礎研究・臨床研究の結果から黒野式全身調整基本穴を使用した生体制御療法による治療が疾病の予防につながっているということであり、私は黒野先生のもと、臨床の現場で多く見てまいりました。
病気の治療はもちろんですが、健康管理こそが重要であり、皆様の健康維持のお手伝いをさせて頂くことが東洋医学研究所Ⓡの治療でもあると考えます。
黒野保三先生の教え
私は黒野先生から治療家としての柱は「学・術・道」であることを教わりました。
正しい医療知識、確かな鍼治療の技術、そして「道」とは人間性であります。鍼治療の際、患者さんと話をし、悩みを理解して適切なアドバイスができる。そして精度の高い鍼治療を行うことによって今後も安心して治療を受けていただく。この安らぎは鍼治療の効果をより高めることになり、患者さんに信頼されることにつながると考えます。
そのために学会に参加し、正しい知識を吸収し、鍼治療の技術の錬磨に努め、そして病んだ患者さんに寄りそえる人間性を豊かにすることこそが治療家として何よりも重要であると考えます。
黒野保三先生との思い出
平成23年8月9日中日新聞朝刊掲載の「医人伝」にて黒野先生のご紹介を頂きました。
その日の朝から問い合わせが殺到し大勢の新患さんがお見えになられました。我々スタッフも問診や電話の応対で手いっぱいの中、黒野先生は普段通り淡々と鍼治療をされておられました。
そんなある日、黒野先生とある患者さんの入院先にお見舞いに行く道中のことです。
「橋本君、どうだ、治療室は忙しいか?」
私は何となしに「はい、大勢の患者さんがお見えになられて目の回る思いです」と答えました。
その後すぐさま「忙しい?大勢の方がお見えになられて治療しているのは私だぞ。せっかくの機会を忙しいではなく、勉強させてもらっているという心持ちでなければ、この機会の意味が分からないままだぞ。私の前で忙しいと言ってはいけないよ。こんな経験ができる事はめったにないのだから」とご指導いただきました。
今思うとお恥ずかしい限りで、なんとも身をわきまえない話ですが、何が大事なのか、治療家としての心の在り方はどうあるべきかを学んだ思いで、感謝の気持ちでいっぱいです。
思い出となると数多くありまして話は尽きませんが、黒野先生からは鍼治療のことだけではなく、ゴルフや囲碁を通じて考え方や人間性について教えて頂きました。本当に感謝しております。
黒野保三先生の教えを胸に
上記のお話は東洋医学研究所Ⓡホームページでも詳しく掲載されております。今回は改めて自分の再確認のためにお話しさせて頂きました。
黒野保三先生からは、鍼治療のことだけではなく多くのことを学ばせて頂きました。その教えを還元するためにこれからも治療に精進していきたいと思います。そしてその教えを次代に伝えていく事も大事なことだと思います。黒野先生の業績につきましては、今後当ホームページで動画にて順に紹介させて頂きますので、ぜひご期待ください。
東洋医学研究所Ⓡの鍼治療は痛くなく、副作用もありません。長く治療に通われている患者さんは健康を保ちながら毎日を楽しく過ごされていると思います。週1~2回の健康管理の鍼治療を受けられて、病気にならない体を、長生きできる体を作りましょう。