墨俣地区老人クラブ連合会の講演会

平成19年3月22日、岐阜県大垣市墨俣町において墨俣地区老人クラブ連合会主催の講演会が開催されました。

講演会は、健康に関する正しい知識及び自分の状態を正しく認識することの大切さを普及するための健康づくりとして行われました。

この講演会の講師として依頼を受け、東洋医学研究所®所長 黒野保三先生が「健康長寿と東洋医学」と題して講演されました。

講演風景


講演される東洋医学研究所®所長の黒野保三先生

日 時   3月22日(木)午後1時30分~午後3時00分
場 所   墨俣老人福祉センター
参加者   98名(墨俣地区内の老人クラブ会員)
テーマ   『健康長寿と東洋医学』
講 師   東洋医学研究所® 所長 黒野 保三 先生


講演会開催にあたり挨拶をされる墨俣地区老人クラブ連合会の小川宏会長
 


歴史からみる「和医」について説明中の黒野保三先生


講演会場風景

講演内容

まず「健康と長寿とは何か?」について、'健康'とは、心と身体がともに健康であることで、心の健康とは感謝の気持ちを持って、日々の生活を楽しく明るく豊かに過ごせること。身体の健康とは、年相応に身体を動かし食事や睡眠などが充足しており、日常生活が送れることでであるというお話がありました。また、'長寿'とは、エネルギーを使い果たし自然に枯れるがごとくに生を全うすることであり、東洋医学はその手助けをすることができるというお話がありました。

その東洋医学の主流である鍼治療について詳細な説明がありました。まず経穴の実証医学的研究による部位と深さについて説明があり、鍼治療による生体の生理学的現象、免疫学的現象、生体の再生修復機構の仕組みについてのお話がありました。

続いて、鍼刺激が生体防御系(免疫系)に与える影響についての研究と、長期鍼治療継続患者の自覚症状(調子が良い、食欲が出た、よく眠れるなど)と、第三者の評価(元気になったと言われた、表情が明るくなったと言われたなど)についての調査などから、鍼治療がどのような効果をもたらすかについてお話がありました。また、マウスの実験では鍼治療を行った群と鍼治療を行わなかった群において、鍼治療を行った群に老化防止ができ、寿命に違いが出て、毛並みなど身体的に良好な状態になったというお話がありました。

その他には、鍼治療による不定愁訴の改善や、風邪罹患回数が減少することに加え、鍼治療と超音波の併用療法について、鍼治療の種々疾患に対する有効性をデータを示し説明がありました。

また、鍼治療に効果があるとは言っても、その技術によって差があり、そのことを客観的に見ることを試みた実験結果によると、免許を取得している鍼灸師であっても、熟練者とそうでない者の間に明らかな違いがあることをデータを基に説明がありました。一言で鍼治療と言っても治療院を選ぶ必要性があり、一つの指標として(社)全日本鍼灸学会の認定制度についてお話がありました。
 
最後に、日頃からできる養生法として、運動をしたり、食生活を見直したり、ストレスをためないことなど、養生は自分自身で天性のように繰りかえし行うことが大切であり、それが健康長寿につながるというお話がありました。