顔面神経麻痺通信12 顔面神経麻痺の症例を紹介します
東洋医学研究所Ⓡ及び東洋医学研究所Ⓡグループでは、令和元年5月10日~12日に名古屋国際会議場で開催された第68回(公社)全日本鍼灸学会学術大会(愛知大会)において、顔面神経麻痺に関する研究を5題報告させて頂きました。その中の水野高広先生が報告した「一側反復性顔面神経麻痺に対する鍼治療の1症例 耳炎性の顔面神経麻痺を発症した症例」を紹介させて頂きます。
患者は29歳の女性で、3年間に右側の顔面神経麻痺を2度繰り返す一側反復性顔面神経麻痺を発症しました。Enog値は8%であり、病院でステロイド、ビタミン剤、ATP製剤などの治療を受けるも、2か月後の鍼治療開始時の柳原法の点数は8点であり神経障害の程度が高く予後不良である可能性が考えられました。
鍼治療は週2回以上の頻度で、黒野式全身調整基本穴と、症状の改善を目的とした顔面の経穴に対し筋膜上圧刺激を行い、柳原法を用いて117日間の経過観察を行いました。
結果は柳原法の点数が初診時8点から50回目来院時36点となり、後遺症は認められませんでした。顔面神経麻痺の症状は患者の満足のいくレベルにまで改善しました。
東洋医学研究所Ⓡ及び東洋医学研究所Ⓡグループでは、現在も顔面神経麻痺のキャンペーンを行うことにより積極的に症例を集積し、その治療効果を検討させて頂いております。 その結果から、顔面神経麻痺を発症されてしまった方が笑顔になれるよう、より効果的な鍼治療の研究をさせて頂いております。
是非、安心して鍼治療をお受け下さい。
尚、今回をもって顔面神経麻痺通信の連載は終了させて頂きますが、今後も顔面神経麻痺に関する有益な情報がある時はその都度ご紹介させて頂きます。1年間ご愛読頂き本当に有難うございました。
(文責 井島晴彦)