令和5年度(公社)生体制御学会第2回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました
令和5年10月1日(日)に令和5年度(公社)生体制御学会第2回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました。
9:00~10:30
基礎生理学2
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
愛知医科大学客員教授(神経内科)
岩瀬 敏 先生
本日は脳について、特に中心後回について御講義頂きました。
「中心後回は体の各部位から体性感覚の入力を受け取る領域です。ホムンクルスというものがあり、人間の体で感覚が鋭いところが大きくあらわされている像になります。手、唇、手先がとても大きく、人間の感覚でとても重要な位置を占めていることがわかります。
角回は読み書き中枢と言われています。ここが障害されると、会話に異常はないが、読み書きだけ障害されます。縁上回は障害されると、失書、手指失認、身体部位失認があらわれます。」と御講義頂きました。
10:40~12:10
脳細胞→回路→神経解剖学から見た脳科学
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
名古屋大学環境医学研究所生体適応・防御研究部門脳機能分野教授
澤田 誠 先生
本日は主に概日リズムについて御講義頂きました。
「概日リズムは約24時間周期で自律神経系、内分泌、代謝系などを調節するメカニズム時計遺伝子が制御していますが、per遺伝子がショウジョウバエの概日周期の制御をしていることが発見されています。
では、per遺伝子はなぜリズムがつくれるのかが疑問でした。ショウジョウバエで起こったものが哺乳類であるマウスで同じようなことがおこるのか。それを研究しているうちにclock遺伝子がマウスの概日周期を制御しているのがわかりました。これはper遺伝子のマウス版かと思われましたが、clock遺伝子はショウジョウバエでも発見され、概日リズムは一つの遺伝子だけではなく、複数の遺伝子が関与していることがわかりました。さらにtim遺伝子が発見され、この3種類が組み合わさって働くことで概日リズムを形成していると考えられています。」と御講義頂きました。