糖尿病通信8 血液検査

糖尿病の血液検査は様々あり、「何を知りたいのか」によって調べる検査が異なります。
そこで今回は、糖尿病の代表的な血液検査のお話です。

○尿糖検査
尿糖検査は、市販の試験紙で検査できる手軽な方法で、血糖の状態を簡単に把握できます。この検査で糖尿病ではないかと初めて疑う方も多いのでは。
通常では尿に糖が出ることはありませんが、血液中に糖が多くなると尿に排泄されます。ただし、血液中の糖が170mg/dlを超えないと排泄されないので、意外と糖尿病が進行している可能性もあります。陽性でしたら早めに病院への受診をお勧めします。

○血糖検査
糖尿病の基本の検査で、簡易血糖測定器を使えばご自身でその瞬間の血糖値がわかるので、状態把握や対処判断に便利です。
また、測定する時間によって血糖値が高かったり低かったりします。その時間によっての差を知ることで、どのようなところに問題があるのかをある程度把握できます。

○ヘモグロビンA1c(HbA1c) 
過去1~2ヶ月間の平均血糖値。糖尿病と診断する数値の一つであり、血糖コントロールが良好かどうか判断できます。
検査前に一時的に食事など気を付ける方がいますが、この検査の前では無意味と化します。

○グリコアルブミン(GA)
過去約2週間の平均血糖値。
薬の効き具合など治療効果の確認、低血糖や高血糖を繰り返しやすい人の血糖コントロールの目安など、HbA1cでは捉えきれない比較的短期間の変動を把握するときに有用です。
 
○1,5-AG検査(1,5-アンヒドログルシトール検査)
過去数日間の平均血糖値の指標。
食事や運動には影響されず、比較的軽度の高血糖に反応しますので、例えば、各種療法の効果による短期間のコントロールを診たい時に使用します。

糖尿病は日々の血糖コントロールを把握することで対策が可能な疾病でもあります。
それぞれの検査の特性を知り、日々の生活に活かすことで血糖コントロールがより良好になるのではないでしょうか。
       

 (文責:山田篤)