糖尿病通信33 血糖値を上げるのは?

○前回までのあらすじ
持続血糖測定器で私自身興味あることを色々試しまして、血糖値の上昇が野菜や運動では?糖類オフでは?カロリーゼロでは?というお話をしました。今回はその4です。

○炭水化物vs脂質
今回比べてみたのは、「みたらし団子」1本と「アボカドサラダバーガー(以下野菜ハンバーガー)」です。一見、みたらし団子の方が量は少ないし、野菜が入っているとはいえ野菜ハンバーガーの方がカロリーは高いはずなので、野菜ハンバーガーの方が血糖値は高くなると思われるかもしれないですが、ここまで糖尿病通信を読んで頂いた方は、このようには思われないと信じています。
 
結果はグラフの通りです。
 


 

みたらし団子は米粉から作られる団子、砂糖と醤油がベースのみたらしのあんが材料で、ほとんど炭水化物です。血糖値を上昇させるのは炭水化物に含まれる糖質や糖類です。さらに糖の最小単位である単糖類や二糖類はグルコースの吸収が早いため急激に上昇させます。米粉は炭水化物ですが血糖値の上昇は早くて高く、砂糖も二糖類です。よって、1本とはいえ血糖値を急激に上昇させるには十分ということです。
一方、野菜ハンバーガーのカロリーは367kcal、炭水化物40g、脂質16.9g、食物繊維3.7gですが、みたらし団子と比べて上昇していません。これは、血糖値の上昇はカロリーではなく、糖類や糖質の量と、他に何を食べたのかによって決まります。純粋に糖類が多いほど、急激に血糖値が上昇し、急激に降下する傾向がありますが、野菜を食べれば食物繊維によって吸収速度が穏やかになりますし、脂質があれば、消化が遅くなりますので、血糖値の上昇も穏やかになると考えられます。

何度も書きますが、血糖値がどれだけ上昇するかは糖質や糖類の量や質で左右されます。血糖値の上昇を穏やかにさせるには、糖質や糖類の他に野菜や脂質、食べる順番が大事になります。
ただし、あくまで血糖値の話ですので、カロリーオーバーや栄養バランスには注意しましょう。

文責:山田篤