顔面神経麻痺通信 2 顔面神経麻痺の原因は?

顔面神経麻痺の原因は?
顔面神経麻痺の主な原因について、その頻度は表のとおりです。これらの原因のなかで、日常診療で特に多くみられるものはベル麻痺とハント症候群であり、全体の約70%を占めています。

ベル麻痺は外傷や中耳炎などのように、顔面神経麻痺の明らかな病因が同定できない急性末梢性顔面神経麻痺です。特発性顔面神経麻痺ともいわれますが、過去には循環障害や自己免疫などいくつかの原因が指摘されてきました。現在ではウイルスの関与、特に膝神経節で再活性化した単純ヘルペス1型ウイルスがその主たる原因であると考えられています。
一方、ハント症候群は膝神経節における水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化を原因とした顔面神経麻痺です。ハント症候群では、顔面神経麻痺に伴って、耳の穴や耳介周囲に帯状疱疹による水ぶくれができたり、強い耳の痛み、耳鳴、難聴、めまいなどが起こったりするのが特徴です。個々の症例では、これらの症状のいくつかが組み合わさって出現します。
疲れやストレスをためると病気を引き起こすことは、鍼灸院に来院される患者さんの話をお聞きすると強く感じます。その理由の一つが潜伏しているヘルペスウイルスの再活性化が関係している可能性があります。そして、そのヘルペスウイルスは、ベル麻痺やハント症候群に代表される末梢性顔面神経麻痺の主な原因ともなっています。このことから、東洋医学研究所Ⓡ所長の黒野保三先生が常々言われているように、疲れやストレスをためない生活習慣を身に付けることと、鍼治療によって病気を未然に予防することをお勧め致します。

                      
(文責 井島晴彦)