令和4年度(公社)生体制御学会第3回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました
令和4年11月6日(日)に令和4年度(公社)生体制御学会第3回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました。
(愛知県鍼灸生涯研修会)
(Zoomによるオンライン配信)
9:00~10:30
基礎生理学3
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
愛知医科大学客員教授(神経内科)
岩瀬 敏 先生
本日は体性感覚について御講義頂きました。
「体性感覚とは、視覚や聴覚といった特殊感覚と異なり、皮膚、筋肉、腱、関節、内臓の壁そのものに含まれる皮膚感覚、深部感覚、内臓感覚のことです。体性感覚は視床で処理され、対側の大脳半球に送られる他、自律神経などにも影響を与えます。
受容器として、パチニ小体、マイスナー小体、メルケル小体、ルフィニ小体などがあります。触覚では、パチニ小体、マイスナー小体は素早く反応し、振動などによく反応する特徴があります。メルケル小体は、押している速度をよく捉え、ルフィニ小体は押している感覚を需要するという特徴があります。
識別感覚は複合感覚とも呼ばれ、単独の受容器に由来する感覚ではなく、複数の感覚情報が脳で統合された結果生じる感覚で、2点識別感覚、立体認知、皮膚書字感覚などがあります。」という内容の御講義を頂きました。
10:40~12:10
「情動が変容する疾患」
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
名古屋大学環境医学研究所生体適応・防御研究部門脳機能分野教授
澤田 誠 先生
本日は薬に頼らない、うつ病などに対する新しい治療法について御講義頂きました。
「うつ病は1960年代から長い間、モノアミン仮説というものがあり、モノアミンという物質が不足することがうつ病の原因と考えられてきました。
しかし、当初からモノアミンだけでは説明できないものがあり、モノアミンは重要な物質であるが、原因はこれだけではないことも考えられていました。最近では「うつ病」ではなく、「うつ症候群」と言われるようになってきています。
fMRIでうつ病の方は脳の前頭葉の活性が低いことが判明しました。前頭葉のDLPFCという場所が特に重要で、そこに磁気刺激を与えることによりうつ病を治療する方法もあります。
また、EMDR(眼球運動による脱感作と再処理療法)という 外傷的な出来事を考えながら眼球を左右に動かして治療する方法もあります。EMDRの眼球運動は睡眠のレム睡眠と同じような動きで、REM睡眠は記憶の整理、書き換えを行っています。EMDRは嫌な思い出を書き直している治療法と考えられています。」という内容の御講義を頂きました。